2024年度はローソンストア100が焼き芋を全店展開し、S・Mサイズと安納芋を用意しました。
本記事は、この2024年度の発表を軸に、ローソンとファミリーマートの2021年の公表資料も比較した販売実績の解説です。現在の取扱店舗や価格を示す記事ではないため、購入前には今季の店頭表示を確認してください。
2024年度のローソンストア100焼き芋は何が変わった?
2024年度は、食べる量に合わせて選べるS・Mサイズと、品種で選ぶ安納芋が打ち出されました。
ローソンストア100は、2024年9月20日に「今年もスタート!ローソンストア100の『焼き芋』10月2日(水)から全店で本格的に販売開始」を公表しました。
発表によると、通常の焼き芋は2024年10月2日から全店で本格販売を開始。公表時の価格はSサイズが1本税込138円、Mサイズが1本税込192円でした。
さらに、種子島産の安納芋を10月中旬から1本税込246円で販売する予定も示されています。店舗によって開始日が前後する可能性や、取り扱いのない場合があることも公式に案内されていました。
価格は2024年9月20日の発表時点のものです。この記事を読んでいる時点で同じ商品が同じ価格で販売されているとは限りません。
前年度は約107万本を販売
同じ発表では、2023年9月から2024年2月末までの全店累計販売数が約107万本だったことも明らかにされました。
販売期間の正確な初日や、期間中の店舗数、全店舗で毎日販売していたかどうかは公表文だけでは確認できません。そのため、107万本から1店舗当たりの厳密な販売数や売り切れ率を算出することはできません。
それでも、半年ほどの秋冬シーズンに100万本を超えた事実は、焼き芋が一時的な珍しさだけで選ばれた商品ではないことを示しています。
毎年、本格販売の開始を告知できるほどの販売基盤があり、レジ横の季節商品として定着していると見るのが自然でしょう。
収穫後45日間の貯蔵と専用什器が特徴
ローソンストア100は、全国の契約農家からさつまいもを仕入れ、収穫後45日間、温度と湿度を管理した貯蔵庫で寝かせると説明しています。
使用する品種は季節によって異なり、紅はるか、紅あずま、シルクスイートなどを採用。2024年度は11月以降、強い甘みとしっとりした食感が特徴の紅はるかを中心に販売するとされていました。
店頭の専用什器は2段構造です。下段の遠赤外線オーブンで焼き、上段の保温ケースへ移して温かい状態で販売します。
入口に近いレジ横へ什器を置くのも特徴です。焼き上がりの香りそのものが商品の存在を知らせるため、焼き芋は味だけでなく、店内での見つけやすさまで設計された商品だと分かります。
ローソン・ファミマ・ローソンストア100の違いは?
3社とも店内の専用オーブンを活用しましたが、販売規模、品種、商品としての位置づけが異なります。
比較できる公表情報は主に2021年と2024年のもので、年度がそろっていません。以下は現在の価格比較ではなく、各社が公表した当時の販売記録です。
| チェーン | 情報の基準時点 | 公表された展開 | 品種・価格 |
|---|---|---|---|
| ローソン | 2021年10月25日発表 | 2021年11月2日から約3,000店 | 紅はるか・税込210円 |
| ファミリーマート | 2021年11月2日発表 | 同日から約2,630店限定 | 紅はるか、シルクスイート・税込230円 |
| ローソンストア100 | 2024年9月20日発表 | 2024年10月2日から全店で本格販売 | S税込138円、M税込192円、安納芋は税込246円予定 |
同じ「コンビニ焼き芋」でも、ローソンとファミリーマートは2021年に対象店舗を限定して拡大し、ローソンストア100は2024年に全店での本格販売を発表しました。
ただし、「全店」と「約3,000店」を単純に比較して、どちらが売れているかを判断することはできません。チェーン全体の店舗数、店舗の立地、芋の大きさ、販売期間が違うためです。
ローソンはカウンターフーズの新定番を狙った
ローソンは2021年10月25日、「専用オーブンで石焼きした“焼きいも”発売」を公表しました。
同年11月2日から約3,000店で、国産の紅はるかを使った焼き芋を税込210円で販売。おでん、中華まん、フライドフーズ、マチカフェコーヒーに続く、カウンターフーズの新たな定番として位置づけていました。
一部エリアで行われた試験販売では、16時から18時が販売のピークだったとされています。学生、家族連れ、シニアまで購入者の年代が広く、リピート率は「からあげクン」と同程度だったとの説明もありました。
この時間帯は、学校や仕事からの帰宅、夕食前の小腹など、複数の需要が重なります。焼き芋を「秋の風物詩」から、夕方に買う温かい軽食へ置き換えようとした戦略が見えてきます。
2021年12月27日付の日本経済新聞は、ローソンの販売数が開始から2か月弱で100万本に達したと報じました。
仮に11月2日から12月26日までの55日間、約3,000店すべてが同じ条件で販売したと置くと、100万本÷3,000店÷55日で、1店舗1日当たり約6.1本です。
ただし、これはあくまで条件をそろえた概算です。途中で販売を始めた店舗、欠品日、店舗ごとの客数差が分からないため、「各店で毎日6本売れた」と断定することはできません。
この数字から確実に言えるのは、約3,000店という限定展開でも、チェーン全体では短期間に大きな販売量を作れたことです。
ファミリーマートは品種を選ぶ楽しさを加えた
ファミリーマートは2021年11月2日、「今年もやります!ファミマの“あま〜い焼きいも”」を発表しました。
国産の紅はるかとシルクスイートを使用し、全国約2,630店限定で販売。公表時の価格は税込230円でした。
販売地域や時期によって、紅はるか、シルクスイートの一方のみ、または両方を扱う方式です。そのため、すべての対象店舗で2品種を食べ比べられたわけではありません。
ファミリーマートは2019年に一部店舗で実験販売し、2020年には約1,030店へ拡大。2021年は前年の約2.5倍となる約2,630店まで増やしました。
2020年10月30日の公式発表では税込210円だったため、同じ商品名でも年度によって価格が変わったことが確認できます。
ファミリーマートの特徴は、甘さだけでなく、品種による舌触りの違いを選択肢にした点です。焼き芋を一種類の定番商品として扱うのではなく、好みを比べられる季節商品へ育てようとしたと考えられます。
ローソンストア100は価格とサイズで日常需要を狙った
ローソンストア100では、遅くとも2019年の公式記事で、焼き芋が毎日約1万本、年間約200トン売れる商品として紹介されていました。
2024年度はS・Mという二つの大きさを用意し、さらに安納芋も加える計画でした。これは「焼き芋を買うかどうか」だけでなく、空腹具合や予算に合わせて選んでもらう売り方です。
小さなSサイズなら、おやつとして食べ切りやすく、初めての品種も試しやすくなります。Mサイズは、軽食としてもう少し量が欲しい人に向きます。
筆者としては、このサイズ分けが2024年度の重要な変化だと考えます。農産物である焼き芋を均一な工業製品のように見せるのではなく、量の違いを分かりやすい購入基準へ変えているからです。
コンビニ焼き芋は品種でどう選ぶ?
濃い甘さとねっとり感なら紅はるか、ほくほく感なら紅あずま、なめらかさならシルクスイートが目安です。
さつまいもの食感は品種だけで決まるものではありません。収穫時期、貯蔵状態、個体差、加熱条件によっても変わりますが、品種表示は店頭で使いやすい判断材料になります。
| 品種 | 食感の目安 | 公表資料に登場したチェーン |
|---|---|---|
| 紅はるか | しっとり、ねっとりしやすく、強い甘みが特徴 | ローソン、ファミリーマート、ローソンストア100 |
| 紅あずま | 比較的ほくほくした粉質感 | ローソンストア100 |
| シルクスイート | しっとりとなめらかな口当たり | ファミリーマート、ローソンストア100 |
| 安納芋 | ねっとりした食感とクリーミーな味わい | ローソンストア100 |
紅はるかは3社の公表資料に登場しており、コンビニ焼き芋を代表する品種といえます。甘みを引き出すため、ローソンは収穫後45日間、ファミリーマートは約1か月貯蔵すると説明していました。
昔ながらのほくほくした焼き芋が好きな人には、紅あずまが選択肢になります。水分を感じるねっとり系より、ほろりとした口当たりを好む人に向きやすい品種です。
シルクスイートは名前のとおり、なめらかな食感が特徴とされています。紅はるかほど濃厚なねっとり感を求めず、しっとりしたバランスを楽しみたい日に選びやすいでしょう。
安納芋は、ローソンストア100が2024年度に種子島産を販売予定とした品種です。通常商品より公表価格が高く設定されていたことからも、サイズだけでなく品種の個性に価値を持たせた商品だと分かります。
ただし、見た目だけで品種や食感を断定するのは難しいものです。確実に選びたい場合は、売り場や包材の品種表示を優先してください。
なぜコンビニ焼き芋は定番商品になれた?
専用什器、貯蔵による品質づくり、対象店舗を絞った運営が組み合わさり、店内調理でも扱いやすくなったからです。
焼き芋は、工場から完成品を運び、棚に並べるだけの商品ではありません。店舗で生のさつまいもを加熱し、焼き上がった商品を保温しながら販売します。
この仕組みは、温かさと香りを提供できる一方、店舗の作業を増やします。焼く時間を確保し、売れ方を予測し、保温中の商品を管理する必要があるからです。
ローソンとファミリーマートが2021年に全店一律ではなく約3,000店、約2,630店へ展開したのは、什器を置く場所、店舗の作業量、地域需要などを考慮した可能性があります。
これは公表資料からの筆者の分析であり、両社が選定基準を詳しく明らかにしたわけではありません。ただ、専用設備が必要な商品では、全店へ一気に広げるより対象店を選ぶほうが、運営上のリスクを抑えやすいと考えられます。
香りは販促になる一方、焼き過ぎはロスにつながる
スーパーやコンビニの焼き芋は、香りが漂うことで、来店時には予定していなかった購入を促しやすい商品です。ローソンストア100が什器を入口に近いレジ横へ置くのも、この特徴を生かした配置でしょう。
一方、必要以上に焼けば、販売できる状態を過ぎた商品が残る可能性があります。少なすぎれば売り切れ、次の焼き上がりまで販売機会を逃します。
つまり、焼き芋の収益性は販売価格だけでは判断できません。何本を、どの時間に焼き、どの程度売り切れるかという店舗運営まで含めて考える必要があります。
ローソンの試験販売で16時から18時がピークだったという情報は、焼成計画を立てるうえでも意味があります。売れる時間が分かれば、ピーク前に焼き上げる運用を組みやすくなるためです。
スーパーとの違いは「生活動線の短さ」
スーパーは青果売り場に近い場所へ大きな什器を置き、多くの本数を販売しやすいのが強みです。家族分の買い物や夕食の材料と一緒に購入する場面にも向いています。
コンビニの強みは、駅や住宅地、職場の近くといった生活動線上で、一本からすぐに買えることです。品ぞろえや価格だけでスーパーと競うのではなく、移動の途中に温かい状態で受け取れる便利さが価値になります。
筆者は、コンビニ焼き芋を支えたのは「専門店の味を完全に再現すること」より、買うまでの手間を短くしたことだと考えます。
自宅でじっくり焼く時間がない日でも、仕事帰りに一本だけ買えます。この購入単位と生活動線の相性が、昔からある焼き芋をコンビニのカウンターフーズへ変えた重要なポイントです。
販売実績から今後をどう考える?
今後は全社が同じ商品を広げるより、サイズ、品種、提供温度で用途を分ける展開が進むと考えられます。
2021年のローソンは紅はるかを使い、カウンターフーズの新定番を目指しました。ファミリーマートは紅はるかとシルクスイートを用意し、品種を選ぶ余地を加えています。
2024年のローソンストア100は、S・Mのサイズ展開に加え、安納芋という別価格の商品を予告しました。各社の動きは、焼き芋が単なる一本売りから、目的別に選ぶ商品へ変化してきたことを表しています。
筆者として注目したいのは、ローソンストア100の約107万本と、ローソンの約100万本をそのまま人気ランキングに使えない点です。
前者は2023年9月から2024年2月末までの全店累計、後者は2021年11月の発売から2か月弱と報じられた数字です。集計期間、店舗数、商品サイズ、販売条件が異なるため、販売本数だけを比べても優劣は決まりません。
年度別の販売数が減ったり増えたりしても、店舗数や芋の大きさが変われば意味も変わります。農産物は収穫量や仕入れ価格の影響も受けるため、工業製品のように毎年同じ規格を維持できるとは限りません。
むしろ重要なのは、ローソンストア100が前年度実績を公表したうえで、翌年度も全店での本格販売を決めたことです。少なくとも2024年9月の判断時点では、秋冬の売り場を構成する商品として継続する価値があると評価されていたと考えられます。
また、温かい一本物だけが今後の形とは限りません。店内で焼く商品は香りと温度が魅力ですが、専用設備と作業時間を必要とします。
店舗側の負担を抑えるなら、冷蔵や冷凍の焼き芋、小分け商品、加工したスイーツという方向も考えられます。反対に、店内調理を続ける店舗では、焼き上がり時間や品種を分かりやすく案内することで、専門性を高められるでしょう。
生活者の立場では、「どのチェーンが常に一番安いか」だけで選ぶより、その日の目的を先に決めるほうが実用的です。
少量のおやつならSサイズ、なめらかさならシルクスイート、濃い甘さなら紅はるかや安納芋というように選べば、年度によって商品構成が変わっても迷いにくくなります。
まとめ
2024年度のコンビニ焼き芋で軸となる出来事は、ローソンストア100が2024年10月2日から全店で本格販売を始め、S・Mサイズと安納芋を用意したことです。
同社の2024年9月20日発表によると、前年度の全店累計販売数は約107万本。全国の契約農家から仕入れ、収穫後45日間貯蔵し、店頭の遠赤外線オーブンで焼く仕組みが採用されていました。
過去の比較では、ローソンが2021年に約3,000店で紅はるかを税込210円、ファミリーマートが約2,630店で紅はるかまたはシルクスイートを税込230円で展開しています。いずれも当時の公表内容であり、現在の商品や価格を示すものではありません。
3社の事例から見えるのは、コンビニ焼き芋が専用什器、貯蔵、対象店舗の選定、サイズ展開によって支えられていることです。購入時は最新の店頭表示を確認し、量と品種を自分の好みに合わせて選んでください。
参照した主な公表資料は、ローソンストア100の2024年9月20日発表「今年もスタート!ローソンストア100の『焼き芋』10月2日(水)から全店で本格的に販売開始」、ローソンの2021年10月25日発表「専用オーブンで石焼きした“焼きいも”発売」、ファミリーマートの2021年11月2日発表「今年もやります!ファミマの“あま〜い焼きいも”」です。
よくある質問
2024年度のローソンストア100焼き芋はいくらでしたか?
2024年9月20日の公式発表では、Sサイズが税込138円、Mサイズが税込192円でした。安納芋は税込246円で10月中旬から販売予定とされていましたが、いずれも当時の情報です。
ローソンとファミリーマートの焼き芋は全店販売でしたか?
2021年の公式発表では、ローソンは約3,000店、ファミリーマートは約2,630店での限定展開でした。全店舗で販売されたという意味ではありません。
ねっとりしたコンビニ焼き芋はどの品種ですか?
紅はるかや安納芋が一つの目安です。なめらかな食感を求める場合はシルクスイートも候補になりますが、食感や甘さには個体差や焼き方による違いがあります。
執筆者:星野 結衣(暮らしサポートライター/家事・食品選びに関する公表資料を生活者目線で読み解き、価格の基準時点や比較条件を確認して執筆)