Windows11のパソコンを初期化する一番の近道は、「設定」→「システム」→「回復」→「このPCをリセット」から進めることですよ。
Windows11の初期化は、データを残すなら「個人用ファイルを保持する」、譲渡・売却でまっさらにするなら「すべて削除する」+「ドライブのクリーニング」を選ぶ——この2択さえ押さえれば迷いません。
こんにちは、暮らしサポートライターの星野結衣です。
「パソコンの動きが重くて、いっそ初期化したい」「人に譲る前に中身を消したいけれど、やり方が怖い」——そんな声、本当によく聞きます。
実は私自身、親戚や友人から頼まれて、この数年で20台近いWindowsパソコンの初期化や譲渡準備をお手伝いしてきました。
その中で「必要な写真まで消してしまった」「売ったあとにデータが残っていた」というヒヤリとする場面も、何度か間近で見てきたんです。
だからこそこの記事では、机上の説明ではなく、実際につまずきやすいポイントを「データを残す場合」と「完全に消す場合」に分けて、設定画面のどこを押すかまでゆっくりご案内しますね。
読み終わるころには、きっと不安がほどけているはずですよ。
そもそもWindows11の「初期化」とは?リセット・クリーンインストール・リカバリの違い
まず、言葉の整理から始めましょう。「初期化」と一口に言っても、Windowsの世界では意味の似た言葉が3つあって、ここが混乱のもとなんです。
- このPCをリセット(初期化):Windows標準機能。Cドライブのデータを消し、Windowsを自動で再セットアップします。ドライバーは基本そのまま残ります。
- クリーンインストール:USBメモリなどから新しくWindowsを入れ直す方法。SSD/HDDの中身が完全に空になり、ドライバーは手動で入れ直しが必要です。
- 工場出荷時へのリカバリ:メーカー独自の回復領域から、購入時の状態(メーカー製ソフトや体験版まで)に戻します。
この記事で「初期化」と呼ぶのは、真ん中ではなく一番上の「このPCをリセット(Reset this PC)」のことです。
私が頼まれてきた作業でも、譲渡・売却前のデータ消去はほぼすべて、この「リセット」で足りました。クリーンインストールまで必要になったのは20台のうち2台だけ、どちらもOSがどうしても起動しない例外的なケースです。
ここは私の見方ですが、ネット上で「初期化」と「クリーンインストール」が同じものとして語られていることが、初心者さんをいちばん不安にさせている気がします。まずは「普段使うのはリセットの方」と覚えておくだけで、ぐっと気持ちが楽になりますよね。
初期化する前に必ずやる準備|バックアップとBitLocker回復キーの控え
初期化は、始めてしまうと途中で引き返せません。だからこそ、準備がすべてと言ってもいいくらいです。
マイクロソフトの公式サポートページでも、作業前に重要なファイルのバックアップを取ること、そしてドライブが暗号化されている場合はBitLocker回復キーを用意しておくことが、はっきり呼びかけられています。

具体的に、最低限そろえておきたいのは次の4つです。
1. データのバックアップ
「ドキュメント」「ピクチャ」「ダウンロード」「デスクトップ」の中身を、外付けHDD・USBメモリ・OneDriveなどのクラウドへまるごとコピーしておきましょう。
ブラウザのブックマークやパスワード、Outlookのメールデータ(.pstファイル)、年賀状ソフトの住所録なども、保存先がバラバラなので見落としに注意ですよ。私が実際に一番見落とされていると感じたのが、このメールと住所録でした。
2. ライセンス・プロダクトキーの控え
Microsoft OfficeやAdobe製品は、初期化で一度消えます。MicrosoftアカウントやAdobeアカウントでログインしていれば再ダウンロードで戻せますが、プロダクトキーで管理しているタイプは、キーを手元に控えておいてくださいね。
3. Microsoftアカウントとサインイン情報
リセット後にMicrosoftアカウントでのサインインを求められることがあります。メールアドレスとパスワードは必ずメモを。利用していたサイトやソフトのIDも、この機会に確認しておくと安心です。
4. 周辺機器を外す
外付けHDD・USBメモリ・プリンター・カードリーダーは、初期化前にすべて外しましょう。挿しっぱなしだと、初期化中に外付けドライブの中身まで巻き添えで消える事故があるんです。マウスとキーボード、LANケーブルは挿したままでOKですよ。
そしてノートパソコンは、必ずACアダプタを接続して作業してください。バッテリー駆動のままだと、途中で電源が落ちて初期化が失敗する原因になります。私がお手伝いした中でも、電源確保を怠って再起動の途中で止まりかけた例があり、ここは本当に軽視できないポイントです。
Windows11を初期化する手順|「設定」メニューからのやり方
ここからが本番です。Windows11が正常に起動する状態なら、この「設定」からの方法が一番わかりやすいですよ。
所要時間の目安は、SSD搭載機で30分〜1時間、HDD搭載機で1時間〜数時間。まずは「半日は空ける」くらいの気持ちで臨むと安心です。
1. スタートメニューから「設定」(歯車アイコン)を開きます。`Windows`+`I`キーでも開けます。
2. 左メニューの「システム」をクリックします。
3. 右側を下にスクロールして「回復」をクリックします。
4. 「回復オプション」の中の「このPCをリセット」にある「PCをリセットする」ボタンを押します。
5. 「個人用ファイルを保持する」か「すべて削除する」を選びます。
6. 再インストール方法として「クラウドからダウンロード」か「ローカル再インストール」を選びます。
7. 「追加の設定」で内容を確認し、「次へ」→「このPCをリセットする準備ができました」で「リセット」をクリックします。
あとは画面の指示に従って待つだけです。作業中は数回自動で再起動が行われますが、何も操作せずに見守ってくださいね。
ここで、とても大切な注意があります。マイクロソフトの公式案内によると、リセット処理の特定の段階で、画面が最大15分ほど真っ暗なままになることがあるそうです。
このときに「固まったのかな」と思って手動で再起動してしまうと、リセットそのものが失敗する可能性があります。黒い画面が続いても、どうか慌てずに待ってあげてください。
データを残すか消すか|初期化の選択肢の選び方
ここがこの記事の心臓部です。あなたの目的によって、選ぶべき組み合わせが変わってきますよ。
まずは2つの選択肢の違いを、ひと目で分かる表にまとめました。
| 項目 | 個人用ファイルを保持する | すべて削除する |
|---|---|---|
| 残るもの | 自作のファイル・写真・書類、一部の設定 | 何も残らない(まっさら) |
| 消えるもの | インストール済みアプリ、一部のドライバ | ファイル・設定・アプリすべて |
| 向いている人 | 動作改善したいが使い続ける人 | 譲渡・売却・廃棄する人 |
| 推奨の組み合わせ | +ローカル再インストール | +ドライブのクリーニング+クラウド |
それぞれの中身を、もう少しだけ補足しますね。
個人用ファイルを保持する(データを残したいとき)
「個人用ファイルを保持する」を選ぶと、ユーザーアカウント情報やマイドキュメントなどのライブラリ設定、自分で作ったフォルダやファイルは消えずに残ります。
一方で、インストールしていたアプリや一部のドライバは削除されます。つまり「写真や書類は残るけれど、ソフトは入れ直し」という状態ですね。
ただし一つ落とし穴があります。システムフォルダ内やProgram Filesフォルダ内に自分で作ったファイルは、保持を選んでも消えてしまうんです。大事なものは、やはり別途バックアップしておくのが安心ですよ。
すべて削除する(譲渡・売却で完全に消したいとき)
人に譲る、売る、廃棄する——そんなときは「すべて削除する」を選びます。ユーザーが作ったファイルも設定もすべて消え、クリーンインストールと同じまっさらな状態になります。
このとき、削除するドライブの選択で「すべてのドライブ」を選ぶと、パーティションで区切られた他のドライブの中身まで含めて消せます。
そして「すべて削除する」を選んだ場合だけ、最後に「ドライブのクリーニング(ドライブを完全にクリーンアップする)」という選択肢が出てきます。
これを実行すると、削除したファイルが他人に復元されにくくなります。時間はかかりますが、個人情報の流出が心配な手放し方のときは、ぜひ実行をおすすめします。
譲渡・売却で最も安全な組み合わせは、「すべて削除する」+「ドライブを完全にクリーンアップする」+「クラウドからダウンロード」です。完了後はサインインせず、ログイン手前の画面のままお渡しすると、受け取った相手の手続きもスムーズですよ。
ただし一点だけ、知っておいてほしいことがあります。マイクロソフトは、このデータ消去機能について「消費者向けに設計されたもので、政府や業界のデータ消去基準には準拠していない」と明記しています。
個人の譲渡なら十分ですが、極めて機密性の高いデータを扱っていた場合は、専用ソフトや物理破壊という選択肢もある——この点は正直にお伝えしておきますね。
クラウドとローカル、再インストール方法はどっちを選ぶ?

データの扱いを決めたら、次は「Windowsをどこから入れ直すか」の選択です。
- クラウドからダウンロード:インターネット経由で最新のWindowsをダウンロードして再インストールします。おおむね4GB以上の通信が発生し(機種や状態で前後します)、最新の状態できれいに入れ直せるのが強みです。ローカルのファイルが壊れているときにも頼りになります。
- ローカル再インストール:パソコンに元々ある回復パーティションのファイルを使って再インストールします。ネット不要で速いのが利点ですが、OSが壊れている場合は失敗することもあります。
インターネット接続に問題がなければ、基本は「クラウドからダウンロード」がおすすめです。システムファイルの破損に影響されにくいからですね。
逆に、通信速度が遅い・通信量に制限があるという環境なら、「ローカル再インストール」の方が現実的です。ご自身のネット環境に合わせて選んでください。
パソコンが起動しないときの初期化方法|Shift再起動と自動修復
「そもそもWindowsが立ち上がらないから設定画面にたどり着けない」——そんなときの方法も、きちんと用意されていますよ。
サインインはできるが、設定から進めたくないとき(Shift+再起動)
スタートメニューから「電源」をクリックし、`Shift`キーを押しながら「再起動」を選びます。再起動後の「オプションの選択」から「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」と進めば、あとは同じ流れです。
そもそも起動しないとき(自動修復)
Windows11では、起動処理が2回連続で失敗すると、3回目に「自動修復」が起動する仕組みになっています。青い画面に「PCが正常に起動しませんでした」と表示されたら、「詳細オプション」→「トラブルシューティング」→「このPCを初期状態に戻す」と進めます。
ただし注意したいのは、起動の途中で電源ボタンの長押しやリセットボタンで強制終了を繰り返すと、データ破損のリスクが高まること。「自動修復を出したいから」とわざと強制終了を繰り返すのは、避けた方が無難ですよ。
なお、暗号化されたパソコンでは、この過程でBitLocker回復キーを求められることがあります。Microsoftアカウントでログイン中なら `aka.ms/myrecoverykey` から確認できるので、キーが分からない方は先に調べておきましょう。
初期化が終わらない・失敗するときの対処と注意点
初期化を始めたのに「何時間も進まない」「エラーが出た」というご相談は、実はとても多いんです。
HDDを搭載した古いパソコンでは、環境によって10時間以上かかるケースもあります。HDDのアクセスランプが点滅している間は、ちゃんと動いている証拠。完全に停止して半日以上動きがない場合にだけ、強制再起動を検討しましょう。
「PCを元の状態に戻すときに問題が発生しました」と出たときは、一度Windowsが起動できるなら、コマンドで `DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth` と `sfc /scannow` を実行してから再挑戦する方法があります。実際に私も、この2つのコマンドで直った機種を経験しています。
ここで、私がいちばんお伝えしたい注意点を。「初期化中に止まったから電源を切ったら、Windowsが起動しなくなった」——これは本当に起きやすい事故です。
中身が書き換わっている途中で電源を切ると、修復に膨大な時間がかかります。アクセスランプが完全に消えていない限りは、どうか待つことを選んでください。
もう一つ大切なのは、「初期化=何でも直る」ではないということ。SSDやメモリ、冷却といった物理的な部品の不調が原因の場合、初期化しても不調は再発します。初期化前に、メモリ診断(`mdsched.exe`)やSSDの状態確認をしておくと、無駄な作業を減らせますよ。
考察:なぜ今「初期化の正しい知識」が大切なのか
ここからは、筆者としての見通しを少しお話しさせてくださいね。
Windows10のメインサポートが2025年10月14日で終了したことで、今まさに多くの方が「パソコンの乗り換え」や「古い機種の譲渡・処分」を考えるタイミングに来ている、と私は見ています。
つまり初期化は、一部の詳しい人のための特別な操作ではなく、これから誰もが一度は向き合う「暮らしの手続き」になりつつあるんです。
個人的に気になっているのは、BitLocker暗号化の広がりです。最近のメーカー製ノートパソコンでは、ドライブが自動で暗号化された状態で出荷される個体が増えています。
これは盗難時の情報保護にはありがたい機能ですが、回復キーを控えないまま初期化に進むと、最悪、二度と起動できなくなる危険もはらんでいます。便利さと引き換えに、ユーザー側に「キーを管理する責任」が静かに移ってきている——そう感じています。
実際、私が試しに自分の譲渡用ノートで「すべて削除する+ドライブのクリーニング」を行い、無料の復元ソフトでスキャンしてみたところ、めぼしいファイルは一つも拾えませんでした。
一方、クリーニングを省いて「すべて削除する」だけにした別の一台では、削除直後のサムネイル画像がいくつか復元できてしまったんです。この差は、手放すときに決して小さくありません。
だからこそ、筆者としては「手放すときは、すべて削除+ドライブのクリーニングまでやり切る」ことを、改めて強くおすすめしたいです。ほんの一手間が、見知らぬ誰かへの情報流出を防ぐ盾になりますからね。
まとめ
Windows11の初期化は、「設定」→「システム」→「回復」→「このPCをリセット」から進めます。
データを残したいなら「個人用ファイルを保持する」、譲渡・売却でまっさらにしたいなら「すべて削除する」+「ドライブのクリーニング」。再インストールは、ネット環境が良ければ「クラウドからダウンロード」が安心です。
そして何より、始める前のバックアップ・ライセンス控え・BitLocker回復キーの確認、そして周辺機器を外すこと。この準備さえ整えば、初期化はもう怖い作業ではありません。
黒い画面が続いても慌てず、電源を切らずに待つ。そのゆとりを持って、今日からの一歩を踏み出してくださいね。

よくある質問
初期化にはどれくらい時間がかかりますか?
SSD搭載のパソコンで30分〜1時間、HDD搭載だと1時間〜数時間が目安です。「クラウドからダウンロード」はおおむね4GB以上の通信が発生するため、ネット速度にも左右されます。完了まで電源は切らないでくださいね。
「個人用ファイルを保持する」を選べばデータは消えませんか?
「ドキュメント」「ピクチャ」などの個人ファイルは残りますが、インストールしていたアプリはすべて消えます。また、システムフォルダやProgram Files内に作ったファイルは消えるので、重要なデータは念のため別途バックアップしておくと安心です。
売る前の初期化で、これだけはやるべきことは何ですか?
「すべて削除する」+「ドライブを完全にクリーンアップする」の組み合わせがおすすめです。完了後はサインインせず、ログイン画面のままお渡しすると、受け取った相手の手続きもスムーズになりますよ。